春節休暇を控え、国内小売市場では、高額品を複数買い込む“爆買い”が影を潜める一方、個人旅行で化粧品など単価の安い商品を買い物する中国人は増えている。大手百貨店は旅行サイトなどの中国企業と提携し、こうしたニーズの変化に対応する。足元では円安傾向が中国人観光客の購買を後押しするだけに、百貨店各社は“トランプ相場”の行方も注視している。
日本百貨店協会によれば、昨年の訪日外国人の売上高は前年比5.3%減と、5年ぶりのマイナスだった。ただ、購買客数は18.5%増と5年連続のプラスで、中国人観光客も減っているわけではない。
高額品の購入は少なくなったが、売れ筋が「化粧品など(単価の安い)消耗品にシフトしている」(高島屋の木本茂社長)。リピーターを中心に個人旅行者も増えているという。