京大発ベンチャーが“幻のスポーツカー”復活 大手蹴ったエンジニア集団「トヨタに負けてない」 (7/7ページ)

2017.1.21 16:08

幻のスポーツカー「トミーカイラZZ」がEV車として復活。
幻のスポーツカー「トミーカイラZZ」がEV車として復活。【拡大】

  • 2016年9月のパリ・モーターショーで初公開されたコンセプト車両「GLM G4」。
  • 小間裕康・GLM社長

 人材集め、協力部品メーカーの開拓、型式認証の取得など壁はいくつもあり、中でも資金調達に苦労した。自動車開発はカネ食い虫だ。いくらあっても足りない。そんな中で、現れたのがエンジェル(個人投資家)たちだ。小間の挑戦に共感した元ソニー会長の出井伸之や、元グリコ栄養食品会長の江崎正道、元シティグループ証券副社長の那珂通雅、さらにはX JAPANのYOSHIKIなどが出資してくれた。

 「日本にはエンジェルがいないと言われますが、そんなことはありません。みなさん、資金だけでなくて、業界・財界で力のある方々ですし、経営を支援してもらっています」

 彼らの影響もあったのか、海外のファンドや事業会社が出資に応じてくれた。サウジアラビアや台湾の国営ファンドも来た。

 資金を得て量産体制が構築できたGLMは攻勢に出る。2016年9月末に開幕したパリモーターショーで日本初の次世代型EVスーパーカーのコンセプト車を発表。「G4」はクーペスタイルの4ドアセダンで、航続距離がトミーカイラZZの120kmを大きくしのぐ400kmで、時速100kmまで3.7秒、最高速度250km/hという“とがった”性能だ。量産開始時期は2019年を目指す。価格は未定だが、3000万円クラスの超高級車になりそうだ。

 小間に会社のビジョンを問うと、こう答えた。

 「成長云々より、まず面白いことをどこまでやり続けられるかですね。面白いことをきちんとやるためには成長も必要です。僕は学生時代から起業しようと思っていたわけではなく、何か面白いことを続けてきただけなんです。面白ければ周りに人が集まって来て、さらに面白くなる。みんなが助けてくれて僕もGLMもあるのです」

 祖父は「お前には徳が足りない。臭いものにはハエがたかるだけだぞ」と小間を叱咤し続けたという。徳を積むこと、恩をきちんと返すこと。小間はその教えを守りながら前に進み続ける。

 (文中敬称略)

 GLM株式会社

 ●代表者:小間裕康

 ●創業:2010年

 ●業種:電気自動車の製造販売

 ●従業員:22名

 ●年商:非公開

 ●本社:京都府京都市

 ●ホームページ:http://glm.jp/

 (ジャーナリスト 吉村克己=文 GLM=写真提供)(PRESIDENT Online)

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