百貨店、新春の福袋「体験型消費」シフト　ダンスチームやカープ女子

　百貨店各社は７日、新春に初売りする福袋の中身を相次いで発表した。福袋はその年の世相を反映しているが、今年は訪日外国人旅行客（インバウンド）による「爆買い」が終息し、「体験型消費」が人気を集めていることから、各社ともユニークな商品を用意している。

　三越伊勢丹の三越日本橋本店では「粋な男の江戸遊び」をテーマに和服と老舗料亭のお座敷遊びをセットで売り出す。キャンプ場の使用権をセットにした大型キャンピングカーも１７２８万円で販売する。中陽次店長は７日の発表会で「来年は夢袋で景気よくスタートしたい」と意気込みを語った。

　一方、高島屋は関東の９店舗でダンサーのＳＡＭさんがプロデュースするシニア向けダンスチームを結成する「夢袋」を１０万８０００円で売り出す。世界の１０大レストランに選ばれた台湾の鼎泰豊の日本総料理長から解説を受けながら、小籠包を食べられる福袋も用意。企画した高島屋宣伝部の藤田郁夫販売促進担当部長は「今年は体験型消費の人気が高まり、関連商品を前回の３倍に増やした」という。

　松屋銀座も体験型商品を充実させた。４０歳前後の独身女性向けに結婚する予定はないが、和装の花嫁衣装を着て、写真を撮影する福袋を１０万８０００円で用意。プロ野球広島カープの熱狂的なファン「カープ女子」向けに赤色が中心のアクセサリーの福袋も売り出す。大丸東京店・上野松坂屋店は来年の干支の酉にちなみ、焼き鳥のお土産が付き、両国国技館で相撲を観戦できる福袋を販売する。東武百貨店池袋本店は、食材専門店、北野エースの約９０００種類から好きな商品を箱に詰められる福袋を５万５０００円で売り出す。