しかし販売エリアが広がったことで、難題も抱え込んでいる。先進国でも新興国でも受け入れられる新型カローラの開発がより強く求められているからだ。
世界では同じ「カローラ」ブランドでも位置づけはさまざまだ。米国では一般大衆車として使われ、ロシアや中国では中間層のファミリーカー、ブラジルやタイでは富裕層の高級車-と、地域によって購入者も利用目的も大きく異なっている。
多種多様なニーズにどう応え、最量販車として、どうよりよいクルマに仕上げていくか。それが目下の最大の課題だ。その難題解決に次のカローラ、12代目の開発を担当する小西良樹チーフエンジニアは「扱いやすさなどの強みを残しながら、乗って楽しく見た目にもかっこいいクルマに挑戦したい」と話す。先代が築いた安心、安全などの伝統に、デザインを含めた新機軸を打ち出し、既存顧客だけでなく、新規顧客の開拓につなげるのが目標だ。