【カローラ半世紀】(下)
■「乗って楽しく見た目かっこよく」
「地球人の幸福と福祉のためのカローラを」-。
トヨタ自動車で初代カローラの開発主査を務めた長谷川龍雄氏(故人)が残した言葉は今も開発陣の胸に刻み込まれている。世界の人々の暮らしに役立つ最量販車であり続けるという志で、託された使命は後生に脈々と受け継がれている。
日本で初代カローラが発売された1966年、「地球人のためのクルマ」として早くも海外展開が始まった。まず豪州向けの輸出を開始し、米国、カナダにも拡大。68年にはマレーシア、豪州での生産が始まり、その後も南アフリカやトルコなどへと広がった。今年8月時点では、世界16拠点の工場で生産。販売エリアは世界154カ国に達し、年約130万台以上を売るトヨタの「最量販車」としての地位を盤石にしている。