一方、ライバルのエンブラエルは燃費性能が高いMRJと同じエンジンを採用した同型機の開発を進め、20年に引き渡す予定。18年にMRJより座席数が多い旅客機も投入する予定だが、今年5月に初飛行を計画よりも前倒しして成功させた。エンブラエルは型式証明の取得を含め、機体開発の経験が豊富で、MRJよりも優位な立場だ。
100席以下のリージョナルジェット市場は今後需要増が見込まれ、三菱航空機は計1000機の受注獲得を目指している。現在、計447機の受注を獲得しているが、残りの分を積み重ねるには、これ以上の納期遅れは許されない。ライバルの足音が近づく中、米国での飛行試験の重要度は確実に以前よりも増している。(黄金崎元)