藻類などを原料にした国産の航空機向けバイオジェット燃料の導入を目指す経済産業省や国土交通省、航空大手などの官民検討委員会は、2020年東京五輪・パラリンピックでのお披露目を目指し、羽田空港でインフラ整備を進める方針を打ち出した。バイオ燃料は環境負荷が低く地球温暖化対策のため活用が期待されているが、価格の引き下げや量産体制の確立が大きな課題となっており、17年度末までに関係者が合意できる整備計画の具体化を図る方針だ。
航空業界の“切り札”
「航空業界は二酸化炭素(CO2)削減の必要性が高まっており、(バイオジェット燃料の)国産化で新規産業も創出できる。東京五輪を一里塚として先進的な取り組みを世界にアピールしたい」。経産省幹部は8日の検討委でこう強調した。
国産バイオジェット燃料の実用化は20年代後半を見込むが、政府と関係業界は東京五輪開催時にバイオ燃料で航空機の試験飛行を行う考え。そのため、官民で熱効率が高い藻の研究開発を進めるなど燃料の生産体制を確立するとともに、羽田空港で燃料受け入れや品質確認などができる施設を整備する予定だ。