「離島を奪還せよ」 総合火力演習、新旧戦車の“防衛力”を間近に見た! (1/4ページ)

  • 演習のクライマックスの「奪回」のパートで120ミリ砲による射撃を行う10式戦車(岡田敏彦撮影)
  • 1個小隊(4両)で攻撃態勢に移る90式戦車(岡田敏彦撮影)
  • 120ミリ砲を撃つ瞬間の10式戦車(岡田敏彦撮影)
  • コンマ1秒の差もなく見事な同時発砲を披露する74式戦車(岡田敏彦撮影)
  • 演習のクライマックスにあたる「島しょ部に機動展開した部隊による奪回」のパートで、対空援護射撃を行う87式自走高射機関砲(岡田敏彦撮影)
  • 島しょ部に機動展開し、奪還のため前進支援射撃に入る74式戦車(岡田敏彦撮影)
  • 陸自最新鋭の10式戦車も登場した(岡田敏彦撮影)
  • 35ミリ機関砲を装備する89式装甲戦闘車も演習に参加した(岡田敏彦撮影)
  • 203ミリ自走榴弾砲の砲撃の瞬間。右上に飛翔する砲弾が見える(岡田敏彦撮影)
  • 陸自最大口径の砲を搭載した203ミリ自走榴弾砲。米国のM110のライセンス生産で、最大射程は噴進弾(RAP)使用で30キロメートルに及ぶ(岡田敏彦撮影)
  • 74式戦車による105ミリ砲の射撃(岡田敏彦撮影)
  • 島しょ部に展開したとの設定で偵察行動に移る87式偵察警戒車(岡田敏彦撮影)
  • 前段の演習で実弾射撃を行う155ミリ榴弾砲。右側に飛翔する弾が見える(岡田敏彦撮影)
  • 主に普通科部隊に装備されている96式装輪装甲車(岡田敏彦撮影)


 離島を奪還せよ-。陸上自衛隊による国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」(総火演)が8月28日、静岡県の東富士演習場で一般公開された。想定は、敵部隊が占拠した離島の奪還のため、陸海空自衛隊が統合作戦を行うというものだ。実弾射撃も含めた大規模演習は毎年人気を集め、申し込みが集中する。今回は約14万7千通の応募があり、倍率は約29倍。抽選に外れた人にも現地の雰囲気を伝えるため、演習を紹介しよう。(岡田敏彦)

 総合火力演習は昭和36年に自衛隊内の学生教育の一環として始められ、昭和41年から一般公開している。58回目の今回の演習には、陸上自衛隊の戦車部隊の総本山ともいえる富士教導団をはじめ、中央即応集団隷下部隊に航空自衛隊、海上自衛隊も参加し、総勢約2400人。最新の10式などの戦車と装甲車だけで約80両、総勢では700両になる。演習のテーマは5年連続で「離島の防衛と奪回」とされた。

 演習は前段と後段に分かれ、前段では戦車▽装甲車▽対空車両▽遠距離砲▽攻撃ヘリ-などによる実弾射撃を実施。後段では離島奪還のシナリオとして、(1)島しょ部に侵攻してきた敵の迎撃(2)応援部隊の展開(3)上陸した敵部隊を排除-の3段階で実弾射撃を交え演習を行った。

なかでも来場者の注目するのは戦車による実弾射撃だ。日常では…