買い物をした立川市の主婦(65)は「ダイエーが閉まるといったときは困ったけど、ドンキになってから品ぞろえもいいし、助かっている」と話す。
細かな変化対応奏功
同じ立地でここまで売り上げが変わるのには、ドンキ独自の戦略が奏功している。立川店は改装時に1階入り口の中央付近に新たに大きな階段を作った。1階の売り場面積は減ったが、来店客が自然と2階より上の階にも行くようにする工夫だ。滞在時間を延ばし、さまざまな商品を見ることで「ついで買い」を促す戦略だ。もちろん1階や地下1階の売り場では、消費者の需要が高い食品も充実させている。
商品区分も「160以上」(大原社長)と非常に細かく分かれている。売れ筋の変化に対して、大原社長は「自由自在のパズルのような対応」を日常的にやっていると明かす。売り場づくりや商品展開など細かな変化対応が同社の強みとなっている。
GMS大手のイトーヨーカ堂は5年間で40店、ユニーも2年半で36店を閉鎖する予定と、居抜きの追い風を受けるドンキだが、全てに出店するわけではない。GMSなどの閉店が一段落すれば、コストの高い新築物件で出店を続けるかの選択も迫られる。