川崎重工業など重工各社が、IoTやAI技術の取り込みに積極的なのは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスなど海外勢が、先行して付加価値の高いサービス提案をしているためだ。
GEは航空機エンジンにセンサーを搭載し、故障予知や燃料コストを削減するサービスを展開している。シーメンスも独自のビッグデータ解析システムを開発し、顧客へのサービス提案を強化している。
重工業の分野では、従来のように顧客の注文通りに「ものづくり」をするだけでは差別化を図れず、納品後に有効なデータを提供するサービスの重要性が増している。保守・運用を充実して顧客と長い付き合いを構築し、次の受注につなげる狙いもある。
こうした動きが世界的に加速する中、日本勢も対応を急いでいる。三菱重工業は重要インフラのセキュリティー確保でNTTと提携した。米IBMのAI「ワトソン」の導入も検討する。宮永俊一社長は「他社との提携で対応を急ぎたい」と危機感を募らせる。