■【JAPAN style】
訪日外国人観光客の消費志向がモノからコトへ変わりつつある中、インターネット旅行会社が訪日客の体験意欲を刺激するプランづくりに躍起になっている。団体ツアーの定番コースに飽き足らず、自分だけのオリジナルツアーを組みたい訪日客から「英語で説明してくれて、楽しめるものが少ない」との声を聞くからだ。自然環境や伝統文化など観光資源が豊富な日本は体験型ツアーの市場として魅力的で、旅行会社のプラン探しも熱気を帯びている。
英語で墨絵、相撲…
東京・神保町のギャラリー「豊國アトリエ」にアルゼンチン人母子が訪れた。訪日客向けに開催している「Sumi-e Class Experience(墨絵おえかき)」(1人2000円、1時間)を体験するためだ。
墨絵画家の本多豊國氏が始めた墨絵教室を、息子の優太店長が「難しいことを考えずに、描くことの楽しさを体験してもらいたい」とエンターテインメント性を重視してアレンジした。
母子は、優太氏の英語による説明に耳を傾けながら、見よう見まねで筆を動かしていた。墨で和紙に絵を描く楽しさを知った母親は「大満足。内容も分かりやすく、先生の説明でいろいろと知ることができた」と喜んだ。と同時に「このほかに英語で体験できるものがないので、どこにも行っていない」と不満をもらした。