スズキは29日、静岡県浜松市で株主総会を開き、鈴木修会長が燃費データの不正測定問題について「ご心配、ご迷惑をおかけして深くおわび申し上げます」と陳謝した。鈴木会長は責任を取り、兼務していた最高経営責任者(CEO)を返上。総会後の取締役会で、鈴木俊宏社長がCEOを兼務する人事を決めた。
スズキは平成22年以降に発売した26車種計214万台で燃費データを不正に測定。鈴木会長は株主に対し「再測定で(燃費値は)カタログ値を満たしていると確認した。販売を続けながら信頼回復に努める」と説明した。
株主からは「CEO辞任では不十分。会長も退任すべきだ」との声が上がった。だが、鈴木会長は「再発防止のため会社に残って責任を全うするのが男だ」と続投に理解を求めた。
不正が発覚した5月の軽自動車販売は前年同月を下回った。鈴木会長は6月1~28日の軽販売が1%増になったと明らかにし「(今期は)前年を上回る販売実績を残したい」と業績立て直しを誓った。
株主総会は鈴木会長ら取締役8人の選任を含む4議案全てを可決。出席株主数は642人で過去最高だった。