鈴木修スズキ会長、最後の大仕事 CEO返上で引退後の新体制を構築へ (1/2ページ)

2016.6.9 08:00

スズキ株式会社・鈴木修会長が排ガス・燃費不正の問題で、兼任のCEOを辞任会見に臨む鈴木修会長=8日午後、東京都千代田区の国土交通省(撮影・春名中)

スズキ株式会社・鈴木修会長が排ガス・燃費不正の問題で、兼任のCEOを辞任会見に臨む鈴木修会長=8日午後、東京都千代田区の国土交通省(撮影・春名中)【拡大】

  • 会見するスズキ株式会社・鈴木修会長=8日午後、東京都千代田区の国土交通省(撮影・春名中)
  • 記者会見で燃費測定の不正に関する再発防止策などを説明するスズキの鈴木修会長(中央)=8日午後、東京都千代田区の国土交通省

 スズキの鈴木修会長がCEO職の返上を決めた。燃費測定の不正問題が契機となり、鈴木会長の“ワンマン”態勢から、会長引退後の「集団指導体制」を見据えた改革へ背中を押された格好だ。ただ、鈴木氏は代表権を持つ会長にとどまり、社内での影響力は行使される。鈴木会長に頼り切った経営から脱却し、新たな体制に移行できるかが焦点となる。

 「組織が大きくなって、私自身が1人で経営を見ることは不可能になった」。鈴木会長は8日の記者会見でCEOを退く理由をこう述べた。鈴木会長は、1978年からほぼ一貫して経営トップを務め、強力なリーダーシップでスズキを世界10位の自動車メーカーに育てた。しかし、企業規模が大きくなるにつれて、会長1人で全ての業務に目を配ることが難しくなり、「結果的に燃費不正問題が出たのもその現れ」(鈴木会長)と認めた。

 鈴木会長の後任のCEOは8人の取締役から選ばれる見通し。鈴木会長は今後の経営判断について、新CEOの決定に従うと説明した。ただ、新たな経営体制の確立に向けては課題も山積する。一つが不正問題で毀損(きそん)したブランドの回復だ。

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