東京ガスは24日、東京都江東区の豊洲埠頭(ふとう)地区で建設していた熱と電気を効率的に供給する施設「豊洲スマートエネルギーセンター」が完成したと発表した。隣接地に今年11月開場予定の新しい卸売市場「豊洲市場」などに電力を供給する。
同センターは、子会社の東京ガス用地開発が同地区に所有する区域を活用し2014年7月に着工。地上5階(高さ約42メートル)、地下1階で約1万1400平方メートルの延べ床面積がある。
リアルタイムの需要情報を基に機器を最適に制御するシステムを導入。熱需要や気象情報、曜日特性からセンターの冷凍機の稼働台数や冷水送水用ポンプの動力などを制御するとともに情報を「見える化」する。
センターには、発電容量6970キロワット級の大型高効率ガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)システムを設置。電力を豊洲市場に供給し、廃熱をセンターなどで使う。停電時に発電機を自立起動させる機能を取り入れ、防災対策を強化した。ガスの供給圧力を利用した発電設備(665キロワット)も備え、発電と同時に発生する冷熱を供給する。この発電設備は減圧する際の都市ガスの流れを活用してタービンを回す。
センターの活用で、二酸化炭素(CO2)排出量が約4割削減するという。
東ガスは周辺区域の開発の進展に応じて、同様のセンターを増設する計画だ。