警備最大手のセコム社長に就任した中山泰男氏(63)が16日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じた。業績が好調にもかかわらず、11日の取締役会で前会長の前田修司氏(63)と前社長の伊藤博氏(64)を解職した理由を「自由闊達(かったつ)な風土が失われ、中長期的な成長が危うくなる」と強調。今後の事業戦略については「大きな変更はしない」と説明した。
今回の解職劇は、創業家と前会長との対立が引き金との見方がある。創業者で取締役最高顧問の飯田亮氏(83)の娘婿が6月に取締役に就任することについては「大変、優れた実績を残している」と説明。飯田氏が人事を主導したとの見方を否定した。
指名報酬委員会は3月に設置。2人の解職のために作ったかのようだが、「コーポレートガバナンス(企業統治)を重視するためだ」と指摘し、あくまでも“偶然”であることを強調した。指名報酬委については「5人のうち2人が社外取締役で公正中立だ」と述べるにとどめ、メンバーの詳細を明らかにしないなど不可解な点も残った。
前田氏と伊藤氏は特別顧問に就任し「大所高所からアドバイスをもらう」と述べた。6月から社外取締役を2人から3人に増やし、企業統治の強化につなげる考えも示した。