最後まで決断できなかった“罪深さ” シャープ経営陣の迷走を振り返る (5/6ページ)

2016.4.4 12:55

記者会見中、紙コップ入りの水で乾杯する(左から)鴻海精密工業の戴正呉副総裁、郭台銘会長とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市

記者会見中、紙コップ入りの水で乾杯する(左から)鴻海精密工業の戴正呉副総裁、郭台銘会長とシャープの高橋興三社長=2日午後、堺市【拡大】

 この時、高橋社長は事実上、決定権を失っていたようだ。社長ら生え抜きの取締役は機構案を支持していたとみられるが、鴻海案に傾いた金融機関出身者や社外取締役を説得できなかった。

 社外取締役の中には、シャープに出資したファンドの出身者2人が、優先株をめぐり「決議に参加できない特別利害関係人にあたる」と顧問弁護士が指摘していた。本来、自分と反対意見の社外取締役がこのような状況にあれば、会社のトップとして決議への参加を見送らせることもできるはず。取締役会議長の水嶋会長も同じだが、結局、2人は決議に参加し続けた。

 シャープの取締役会は2月25日に鴻海の傘下に入ることを全会一致で決定。最後まで、高橋社長がリーダーシップを発揮することはなかった。

 26年12月、東京支社。役員と記者の懇親会で、高橋社長は、自ら国内外の事業所をまわり、いかに一般の社員と交流を深めているかを得意げに語っていた。

しかし、この時すでに液晶パネルの市況は急速に悪化しており…

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