台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は28日、経営再建中のシャープを買収する交渉をめぐり、契約調印の期限は「設定していない」とする声明を発表した。3月7日の契約を目指しているとする一部報道を否定した。
鴻海は、なるべく早く満足がいく買収協定で一致できるよう「双方が努力している」とも強調した。両社で大詰めの交渉を続けているもようだ。
28日付の台湾紙、聯合報は、鴻海が27日にシャープの財務状況を分析するチームを日本に派遣したと報道。3月上旬の調印を目指しているとしている。
両社は交渉期限をいったんは29日に設定し、シャープは25日に鴻海の傘下に入ることを発表した。ただ鴻海は、シャープから将来発生する可能性がある「偶発債務」のリストとみられる文書を24日に受け取ったことを受け、シャープの財務を精査するために契約を保留した。両社の首脳は26日、交渉期限の延長で合意した。(台北 共同)