--ベア要求額は昨年の月額6000円から半減した
「昨年は物価高の影響で、従業員の生活を守る意味合いがより強かった。額だけ見れば、下がっているが、実質的には思い切った要求だと考える」
--2年連続でベアを実現させたが、波及効果があまりないとの声もある
「安定的に家計を守るためには、日々の賃金が大事だ。ベアを実施しなければ、消費はもっと落ち込んでいた。3年目こそが重要。ここで実施しなければ効果は望めない」
--デフレ脱却が進まない
「(労使)それぞれができる範囲で好循環を目指す努力が必要だ。春闘では、賃上げだけでなく、労働時間の短縮による効率化も求めていく」
--シャープが外資企業に買収された場合は
「労使関係は、むしろしっかりするだろう。会計年度がずれ、春闘とそぐわなくなるのではないかという懸念がある」
□日立製作所 中畑英信・執行役常務
■先行き不安定で慎重に
--現在の経営環境をどう見ているか
「中国や資源国の経済減速の影響が拡大している。年明けからの株安や急激な円高で、先行きの不安定さが増しており、日立製作所も業績を下方修正した。賃上げは慎重に対応しないといけない。デフレ脱却、経済の好循環実現に向けては、まず事業の成長や業績向上を果たした上で貢献したい」