一方で総務省の要請になかった、ヘビーユーザーの多い25歳以下の若者を対象にした「学割サービス」については、各社が同時期に発表するなど、業界の「協調的寡占」体質を示す結果にもなった。とはいえ、ユーザーの選択肢が増えたことは一歩前進といえるだろう。
総務省が12月に出した「取り組み方針」にあるように「スマホは国民生活のインフラとして重要な役割が期待されており、普及促進が必要」なのは間違いない。諸外国に比べ、スマホの普及率が5割程度と日本はまだまだ低いのが現状だ。今回の改定だけでは、普及率を高めるには力不足だ。総務省にはスマホ普及のための取り組み継続を期待したい。
【プロフィル】森山博之
もりやま・ひろゆき 早大卒。旭化成広報室、同社北京事務所長(2007年7月~13年3月)などを経て、14年より旭リサーチセンター、遼寧中旭智業有限公司主幹研究員、57歳。大阪府出身。