バス事業者側も「即戦力だけでなく、長期的な育成も視野に入れた人材獲得ができる」としており、次も機会があれば積極的に参加する考えだ。
大型2種免許の壁
国土交通省によると、バス運転手数はここ10年間、約12万人とほぼ横ばいながら長期的には減少が見込まれる。労働時間の長さに比べて待遇が低く、現在は6人に1人が60歳以上と急速に高齢化が進む。求職者の約7割は大型2種免許を保有していないなど、就職希望者の多くが即戦力となり得ない課題も抱える。
その結果、近年は訪日外国人客の急増で、一定の経験が必要とされる貸し切りバスや高速バスの運転手不足が顕在化。バス会社側も「増便を断念した」などの実害が出ている。国交省の調査では、バス事業者35社のうち97%が、「運転手不足による影響が出ている」と回答している。