30日に一般公開が始まった東京モーターショーでは、排ガス規制逃れ問題に揺れる独フォルクスワーゲン(VW)が今後の開発の方向性を象徴するコンセプトモデルを披露した。スポーツ用多目的車(SUV)のプラグインハイブリッド車(PHV)「ティグアンGTE」だ。
来年秋の日本投入を予定する新型ティグアンがベース。電気だけで走行可能な距離は50キロで、搭載する太陽光発電システムで産み出したエネルギーを使って走ることもできる。
ヘルベルト・ディース取締役は「日常のほとんどの走行が(二酸化炭素を排出しない)ゼロエミッションで可能になる。このことは、東京のような大都会においてプラスに働く」とアピールする。
ディーゼルエンジン車の排ガス規制逃れが発覚し、VWは、PHVや電気自動車(EV)など電動化車両の開発を進める方針を打ち出した。新型ティグアンの主要部品をモジュール化する「MQB」はVWの強みで、従来型エンジンだけでなく、電動化にも対応しやすい。ティグアンGTEがVW復権の先駆けとなるか注目だ。