関西、東京、中部の各電力会社がそれぞれ従来の供給エリアを越え、店舗や工場など大口向け電力で互いの顧客を奪い合っている。背景にあるのは、来春始まる電力小売りの全面自由化への危機感だ。8兆円規模の家庭用電力市場で、新規参入組を交えた本格的な競争となる。地元で顧客の流出が避けられない大手各社は、エリア外での大口販売積み上げを狙う。
東電が関西に
コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンは10月から、大阪、奈良、和歌山、兵庫の4府県に展開する計約千店舗で東京電力グループの「テプコカスタマーサービス(TCS)」から電力供給を受け始めた。
セブンの担当者は「新しい商品展開をするためにも、電気料金を含め経費をいかに抑えるかは重要」と説明する。今春、関西電力が東日本大震災以降2度目となる値上げに踏み切ったことがセブンの背中を押した。