社員に危機感を植え付けようと、「25年度に過去最高益を達成できなければ、社長を辞める」といったのです。
とはいえ、リストラでは業績を回復しても、社員のマインドが下がってしまう。テレビ関連の売上高が消えるなら、ほかの商品で埋めればよいのです。
社員には「ジャパネットの原点に戻ろう。伝える力を磨き、お客さんの目線に立つんだ」と言いました。
「伝える力」を高める具体策として、24年8月に数十億円を投資し、東京・六本木のビルに、7つのスタジオを備えた東京オフィスを設けました。私が指揮する佐世保本社と、現社長の旭人が運営する東京オフィスで、商品の訴求力を競ったのです。
紫外線で除菌機能を持つ掃除機「レイコップ」は、競い合う中で東京のメンバーが開花させた商品です。畳からカーペットまで使える商品ですが、東京オフィスは布団に用途をしぼって訴えかけたことで、100億円を売り上げるヒット商品となりました。また、エアコンなど白物家電も10万台売れました。