欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題で揺れる自動車部品大手のタカタは5日、2015年3月期の連結最終損益の予想を下方修正し、赤字幅が従来予想よりも60億円拡大して310億円の赤字(前期は111億円の黒字)になると発表した。リコールが世界で拡大し、追加の特別損失を計上した。事故原因の調査が難航する中、タカタ以外の部品メーカーとの取引を拡大するなど自動車メーカーの「タカタ離れ」が徐々に進んでおり、経営の立て直しには時間がかかりそうだ。
タカタはリコール対応費用として4~9月期に計476億円の引当金を計上していたが、10~12月期に約30億円積み増したことで特別損失が増加した。
自動車メーカーは原因が特定された車種を対象とする正式リコールに加え、原因究明や事故予防のための自主的な調査リコールを各地で実施しており、対象は全世界で計2000万台を超えた。