ホンダが昨年末に発売した新型ハイブリッド車(HV)「グレイス」は、主力小型車「フィット」のリコール(回収・無償修理)が相次いだ影響で、開発が滞っていた同社にとって約1年ぶりの新型車となった。
フィットなどと主要部品を共通化して開発した小型セダンで、小回りの良さと室内空間の広さを両立。1500ccエンジンと高出力のモーターを組み合わせ、ガソリン1リットル当たり34.4キロの燃費を実現している。開発責任者を務めた本田技術研究所の広瀬敏和主任研究員は「HVセダンで革新を起こしたい」と強調する。
--国内ではセダン離れが進むなかでの投入だ
「市場調査をした結果、われわれが考えている以上にセダンを求めるお客さまが全国、特に地方にいることが分かった。話を聞くと、HVでトランクの付いた5ナンバー(小型車)の車の需要がすごくあった。これまでセダンに乗ってきた50~60代のユーザーには、使い勝手に加えてフォーマルさを求める人たちがまだいるということだ」