■【現場の風】トヨタ自動車チーフエンジニア・水澗英紀さん(53)
--新ジャンルの上級ミニバン「エスクァイア」を開発した背景は
「ミニバン市場は2004年ごろをピークに規模が縮小しているが、5ナンバーサイズで背の高いコンパクトモデルは堅調に推移している。消費者が求めているのは広い室内やスライドドアの使いやすさ。トヨタとしてしっかり売るため『ノア』と『ヴォクシー』をてこ入れするだけでなく、魅力的な商品で拡販しようと開発した」
--ノアやヴォクシーとのすみ分けは
「ファミリーのノア、スポーティーなヴォクシーに3台目を入れると、下手すると中間のものができる。高級さにポジショニングすることが、市場を広げることになるのではないかと考えた。ノアやヴォクシーは幼稚園児より下の子供がいて、使い勝手を優先する家庭向け。エスクァイアは小学生くらいの子供がいる家族や、安っぽいミニバンは嫌だという人を想定した」