世界の食料需要が高まる中、欧米の農業は大規模化し、大型農機が主流となった。だが、大型農機の使用は畑の地盤の土を締め固め、農作物の根の生育を遅れさせ、品質低下を招く要因となっている。さらに、締め固められた土は破砕する必要があり、多くの時間とコストがかかる。こうした大型化の弊害から、狭い農地での効率生産に貢献する日本の小型農機に欧米からの関心が高まっている。
野口教授は「日本の農機メーカーにとっては大きな好機」と断言する。国内農機メーカーや研究機関が開発を進めているのは、きめ細かい作業ができる小型ロボット農機だ。試作機では種を植える場所だけをピンポイントで耕し、不要な草だけを除くといった作業を可能にするほどの高い精度を実現している。