船井電機、立ちはだかる“カリスマの壁” 電撃的な社長交代劇…憶測呼ぶ (4/5ページ)

2014.10.29 07:00

代表権を回復した船井哲良会長(中央)と社長に復帰した林朝則氏(左)。上村義一氏(右)は社長を辞任した

代表権を回復した船井哲良会長(中央)と社長に復帰した林朝則氏(左)。上村義一氏(右)は社長を辞任した【拡大】

 理想と現実

 低価格路線で堅調な北米のテレビ事業に注力したい上村氏に対し平成25年に米プリンターメーカー大手、レックスマーク・インターナショナルから約95億円で買収した家庭用インクジェットプリンター事業の強化にこだわる船井会長。その結果、上村氏の意図が十分に経営に反映できない状態が続いたといわれる。

 今年5月にはパイオニアのオーディオ部門の売却先として船井電機が浮上し、業績回復のてこ入れとなるブランドを手に入れる好機が再来した。上村氏は買収に積極的だったが、そのときもカリスマの壁は厚く、最終的に他社にさらわれてしまった。

 そして今月2日、船井電機はフィリップスに、3億1230万ユーロ(約431億円)の損害賠償を求める書面をICC国際仲裁裁判所に提出したと発表。その数時間後、突如、社長交代がホームページで公表された。「やりたいことができずに上村氏はおもしろくなかった」(関係者)といわれる。

「私は高齢なので、万が一の場合は副社長になるだろう」

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