英ダイソンは20日、加湿器に参入すると発表した。来月6日に初めての商品を世界に先駆け日本で発売する。水を除菌して使う独自技術を採用した。同社は主力の掃除機などでシェアを高めており、加湿器でも存在感を示せるかが注目される。
発売されるのは「ダイソン ハイジェニック ミスト」。従来の加湿器には内部の水にバクテリアなど有害な細菌が繁殖しやすいとして、加湿のために水分を放出する前に、内蔵したライトで紫外線「UV-C」を照射して細菌を死滅させる。
開発に携わったデザインマネジャーのトム・ベネット氏は発表会で「風邪やインフルエンザの予防のほか、アレルギーを持つ方には、悪化させない手助けとなる」と強調。空気清浄機能が付いた製品も開発に着手しているという。同社の羽なし扇風機を思わせるデザインで、楕円形の枠組みから横向きに水分が放出される。店頭での参考価格は5万8800円(税抜き)。
ダイソンは主力の掃除機について、足元で金額だけでなく、台数でもシェア首位になったという。加湿器でも、最初のシーズンで金額ベースで20%が目標だ。日本での発売後、英国などでも順次販売する。
同社は、独自の技術やデザインで差別化された商品を高価格帯に投入する戦略を取っている。今年4月には、風で手についた水滴を吹き飛ばす業務用のハンドドライヤーにも参入を発表。加湿器は掃除機、扇風機、ハンドドライヤー次ぐ第4の分野となる。
同社の掃除機の特徴である「サイクロン式」を採用して吸引力を高めたロボット掃除機を来春投入する方針も明らかにしており、徐々に取り扱う分野を広げている。