家電大手各社がシニア層向けに機能を高めた家電製品の強化に乗りだしている。60歳以上の消費規模は約100兆円にのぼり、今後も年に1兆円ずつ拡大するとの試算もあり、家電全体の販売底上げには欠かせないターゲットだ。各社は価格が高くても付加価値を重視するシニア層の購入意欲を引き出すため、高級感と使い勝手の良さを併せ持つ製品を投入し、需要拡大を狙う。
パナソニックは17日、デザインや機能が優れた50~60代向けの家電「Jコンセプト」シリーズの新製品を10月下旬から順次発売すると発表した。第1弾として、紙パック式で世界最軽量の掃除機(本体重量2キロ)とエアコン、冷蔵庫を投入する。
新製品は3万人以上のユーザーの声を生かし、2年間かけて製品化したといい、冷蔵庫は50歳以上の女性でも肘を上げず、中のものを楽に取り出せる仕組みを採用。エアコンは床面の温度を従来品より5度高い35度に保てるようにした。高見和徳専務は「製品のラインアップを今後増やし、海外展開も視野に入れる。2018年度には(同シリーズで)1000億円の売り上げを目指す」と意気込む。