ただ、同店は改装後、女性客が他社のユーザーを含め約1割増えたという。丸山店長は「女性は好きな店、好きな店員がいる店で買い物をしたいもの。心をつかめば販売につながるはず」と手応えを感じている。
ユーザーの趣味が多様化し、昔のように大ヒットを飛ばすのが難しい時代ともいわれる。女性へのアピールがどこまで拡販に結びつくかはまだ手探りだが、厳しい環境は新しい販売手法を試す絶好の機会でもある。
ダイハツ幹部は「開発期間を短縮して市場のニーズに敏感に反応し、さまざまな手段を試さなければヒットは生まれない。女性へのアピールはそのうちの一つだ」と説明する。
安倍政権が女性の活用を成長戦略に掲げるなか、男性社会といわれてきた自動車業界でもトヨタ自動車が現在約100人いる女性管理職の数を20年に3倍、30年には5倍を目指す目標を掲げるなど登用が進んでいる。作り手側でも女性の発言力が強まることで、女性目線のクルマ作りは今後ますます進みそうだ。(田辺裕晶)