もともとミラココアのユーザーは9割を女性が占める。ただ、今回はユーザーの声を自宅訪問などで拾い集め、女性目線の開発を特に徹底した。「愛されピンク」「大人ブラウン」など色やデザインで選べるバリエーションは計160通り。ルームランプは宝石箱をテーマにした専用デザインで「きらめく空間」(山尾さん)を表現した。
トヨタ自動車も4月に発売した小型車「パッソ」の一部改良で、新たに紫外線や赤外線を大幅にカットするガラスを採用するなど女性に優しい装備を充実させた。
特に女性を意識したモデル「パッソ +Hana(ハナ)」ではオプションで白い屋根の2トーンボディーカラーを用意して「フレンチネイルのようなおしゃれ感」を演出。製品企画本部の鈴木敏夫主査は「キュートな印象を強め、より多くのお客さまの嗜好(しこう)に合わせられるようになった」と説明する。
自動車各社が女性客を強く意識するのは、「新車の購入は女性が大きな決定権を持つ」(日産自動車のカルロス・ゴーン社長)ことを知っているからだ。
既婚世帯の主導権が妻と夫どちらにあるかを三菱総合研究所が調べたところ、電子レンジや洗濯乾燥機など家事で使う商品だけでなく、自動車のように夫婦で使う商品でも自分に意思決定権があると考える女性が過半数を占めていた。