新車を売り込むには女性客に気持ちよく過ごしてもらう環境が必要なのではないか。そんな問題意識から、日産は店長や営業、整備スタッフに女性を起用したレディー・ファースト店舗の認定を開始。2015年までに300店舗、将来的には全国約2100店舗の3分の1まで拡大する目標を掲げている。
6月に全面改装した初のモデル店「日産プリンス西東京販売府中西原店」(東京都府中市)の店内は、白を基調にし、まるでおしゃれなカフェに来たような雰囲気だ。光が差し込むガラスの壁際には、車のカラーバリエーションをネイルカラーに見立てたサンプルを展示。来店客にハンドマッサージのサービスなども提供し、女性がぶらりと訪れたくなる店作りを目指す。
厳しい環境を逆手に
消費税増税前の駆け込み需要の反動減で、自動車各社は新規受注の減少に直面している。自動車大手8社の7月の国内販売の合計は、前年同月比2.6%減の42万8015台にとどまった。年度当初の見込みより回復のスピードはやや遅れており、府中西原店の丸山雅世店長も「環境は厳しい」と認める。