経団連幹部は「米国は政府の研究開発予算の約3分の2が防衛関連。これに対し日本は約3分の2が文部科学省予算。防衛技術開発を担う防衛省の技術研究本部(技本)予算に至っては1000億~2000億円と、あまりにも少ない」と指摘する。
こうした中、防衛省は、来夏をめどに設立準備が進められている「防衛装備庁(仮称)」に技本を統合。これに合わせ、基礎技術を担う公立大学や産業総合研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの独立行政法人の研究機関、それに防衛産業との連携を強化する計画だ。
防衛技術分野で産学官一体の体制を構築することで、研究開発の資源不足を補うことが狙いの一つだ。同省は、開発した防衛技術について「防衛省主導で民生転用を推進する」(堀地徹・経理装備局装備政策課長)などとしている。
連携実現に障害も
しかし、オールジャパン体制の実現には障害もある。その一つが、一部の公立大学が防衛関連の研究を拒んでいる問題だ。