見通せぬ将来
普及に暗雲が漂っている現状を受け、経済産業省は6月19日、有識者でつくる「水素・燃料電池戦略協議会」を開き、FCVを含めた水素産業を拡大させるロードマップをまとめた。それによると、FCVの車体価格は、37年ごろに、同じグレードのハイブリッド車と同程度に抑える方針を示した。
海外市場でもFCVを普及させるため、安全基準を統一できるように経済産業省が各国と交渉することなどが盛り込まれている。水素ステーションについても水素の配管や保管タンクの材質や、立地の規制緩和を進める方針を示している。
山下副調査役は「先行して取り組む業者が損をしないよう、早く規制緩和や補助金の拡充などを進めることが必要だ。それでも来年の目標の達成でさえ困難な見通しなので、その先はさらに不透明だ」と指摘している。(織田淳嗣)