配布数はコストをかけた分、通常の5分の1に減らしたが、配布先は情報発信力のあるブロガーやモデルなどに絞った。こうしたユーザー間でサンプル容器自体が「かわいい」などと話題となり、商品の売り上げは発売3カ月で当初目標の2.6倍の34万個を達成する大ヒットとなった。田嶋さんは「サンプルは商品の良さを感じてもらう決め手になる」と断言する。
試供品は「1回分」が一般的だが、消費者からは「効果が実感できない」という不満の声も多かった。こうした意見に対応し、複数商品を1週間分詰め合わせた「お試しセット」がここにきて人気だ。
なかでも際立っているのが、オルビスが2月に投入した新スキンケアシリーズ「オルビスユー」の「1週間トライアルセット」(1200円・税抜き)だ。1週間分の洗顔料や美容液などの5点セットで、発売1カ月で当初計画の約11倍の約8万個を売り上げた。同社はアクアフォースブランドで3週間分のお試しセットを販売しているが、それを大幅に上回る売れ行き。「1週間分は消費者が試す適量として認識されている」(担当者)と分析する。