経団連の次期会長に東レの榊原会長 異例の「元副会長」起用

2014.1.9 17:02

 経団連は9日、米倉弘昌会長(76)の後任に東レの榊原定征(さかきばら・さだゆき)会長(70)を起用することを明らかにした。同日までに後任の指名権を持つ米倉氏が榊原氏に就任を打診し、内諾を得た。東レからの経団連会長は初めて。化学メーカーからの選出は住友化学の米倉氏に続いて2代連続。14日の会長・副会長会議に報告し、6月上旬の定時総会で正式決定する。任期は通常2期4年。

 榊原氏は炭素繊維など付加価値の高い先端材料を同社の主力事業に育て、名門「東レ」を復活させた経営手腕に定評がある。財界の論客としても知られ、安倍晋三政権の産業競争力会議の民間議員を務めるなど政府とのパイプも太い。

 経団連では平成19年から23年まで副会長を務め、現在は顧問。従来の経団連会長は現役の副会長から選ばれており、OBからの起用は「異例中の異例」(関係者)だ。次期会長の選考基準を「多くの技術のすり合わせで成り立っているものづくり企業の経営者」と公言していた米倉氏が今年に入り説得した。

【プロフィル】榊原定征氏

 昭和42年名大院修了、東洋レーヨン(当時)。経営企画室長、技術センター所長などを経て平成14年社長、22年から現職。

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