21年4月には地元出版社の海鳥社が写真集「西鉄ライオンズとその時代」を出版した。今年11月3日には福岡市博物館(福岡市早良区百道浜)の一角に、往年の写真や野球道具などを並べた常設展示コーナーがお目見えした。
これにはライオンズのオールドファンも喜んだ。長年、球団の歴史を伝える活動をひっそりと続けてきた「西鉄ライオンズ研究会」も博物館に多数の資料を提供した。研究会事務局長で元西鉄社員の篠隈信二(58)は満足そうにこう語った。
「ずっと隠れファンを続けてきましたが、やっと堂々と語れるようになりました。戦後、福岡の産炭地には日本中から労働者が集まり、明日の命もわからない仕事に汗を流したことが日本復興の礎となった。ライオンズはそんな彼らの『共通言語』だったんです。西鉄が球団を持っていた意義はとても大きく、誇れることだと思います」(敬称略)