紡げ発想力、生まれ変わった織元 みやしん元代表・宮本英治さん (5/7ページ)

2013.7.19 05:30

衣類の国内生産量

衣類の国内生産量【拡大】

  • みやしん元代表の宮本英治氏。独自の手法でさまざまな織物を生み出してきた=東京都八王子市

 業界活性化に奔走

 化学繊維から天然素材へというファッション業界の流れに乗り、麻が基調の生地は注目を集め、みやしんには新たな仕事の依頼が舞い込むようになった。「ヨウジヤマモト」「コシノヒロコ」など世界に認められた日本発の人気ブランドをはじめ、ダナ・キャランなど海外のデザイナーとも組むようになった。80年代後半、みやしんの売上高は年1億5000万円にのぼるようになった。

 「DC(デザイナーズ・アンド・キャラクターズ)ブランド」と呼ばれた高価格品のブームはバブル崩壊とともに消え去り、国内アパレルメーカーはコストを抑えるため海外生産へと製造元を移していった。それでも宮本は立体織りを追究したり、季節にとらわれない素材を使ったりと、斬新な発想の服地づくりを続けた。繊維産地の業者を集めて「テキスタイル展示会」を催すなど、業界全体を元気づけようと奔走した。

 ただ、国内のアパレル市場は次第に輸入品が主流となり、90年に48.5%だった衣類に占める輸入品の割合は、2011年には96.4%を占めるまでになる。デフレを背景に2000年代に入って低価格志向がさらに強まっても、みやしんは高品質なものづくりにこだわり続けた。経営環境は一層厳しくなり、宮本は12年秋、新たな受注を取らないことを決めた。

「ものづくりの基礎を学べるだろう」

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