男性株主「私は、原発大惨事で、福島から石川県に避難を余儀なくされた。原発から20キロのところに住んでいた。第3号議案の定款変更について補足説明する。17年前に、自給自足を目指して、東京から福島に移り住みました。その生活が一瞬のうちに奪われた。将来を悲観して自分の命を絶った人もいる。それに対して、役員は報酬もらうが、何もなくなった人のために、被災地に提供することを考えませんか。誠意を形に表して欲しい。東電に原発を動かす資格はありません」
《会場から「そうだ」と賛同の声があがる》
「ましてや、原発は人知を越えたものだ。使用済み核燃料の処理技術をもたない。作業員にも被害を与える。子供たち、孫たちにこれ以上つけを回してはいけません。福島に帰りたいんです。大げさに言えば、わたしたちは流浪の民となりました。やるせない、無念、という言葉で言い表せるものではありません。株主の皆さん、脱原発を高らかに議決して下さるようお願い申し上げます。放射能から福島の子供を守るグループが祈りを込めてバラを折った。このバラを会長と社長に進呈する。祈りをともにして下さい」
勝俣会長「ありがとうございます。頂戴いたします。ほかに質問は」
男性株主「原発賠償法に基づく補償の考え方は」
勝俣会長「お答えします。原子力損害賠償責任については、3条第一項にある異常な巨大な天災という解釈の適用も十分可能と考えています。関東大震災の3倍という話しもあるが、今回の地震エネルギーは関東大震災の44倍。異常に巨大な天災に当たると考えています。免責という解釈も成り立つが、免責かどうかの結論が出るには時間がかかります。この間、裁判で争えば、被害者の救済ができないうえ、当社の事業も立ちゆかなくなる。国と一体となって、国の支援を頂きながら、補償を実施することが被災者の早期救済、当社の事業継続に必要ということで、国に援助をお願いしたところです(大拍手)」
勝俣会長「ただいまの株主提案議案について、取締役会としては反対です。取締役会の意見については、参考書類に記載の通りでございます。それでは、ただいまの株主からの提案議案について質問をどうぞ」