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【クレモンティーヌのパリ便り】ヴァカンスの決まり事
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緑あふれる庭でのんびりいただく朝食もヴァカンスならでは=フランス(クレモンティーヌさん提供) 皆さん、お元気ですか? 8月に入りいよいよ夏本番。日本は今年も猛暑だと聞きますが夏に負けてませんか? 我が家は、私とパートナーはアルプスの麓、息子はチュニジアに、娘は友人とポルトガルにとヴァカンスを満喫しております。8月中旬からは家族全員が南仏の別荘にそろう予定です。いろいろな経験をして少しだけ成長した子供たちに会うことが楽しみです。
そう言えば、先日友人に、日本では夏休みにたくさん課題が出るという話を聞き驚きました。フランスでは夏休みの課題なんてありません。休む時はしっかり休むのが私たちフランス流。それにしても年間5週間のヴァカンスは多すぎるじゃないか!という話もありますが、これがフランスなのです。
今年もヴァカンス中に随分たくさんの人に会いました。母から受け継いだ習慣なのですが、我が家は人をお招きするのが大好きなので年中お客様であふれていますが、特に夏は世界中からお客さんがいらっしゃるんですよ。そこで感じるのは習慣の違い。朝食一つとっても、フランス人はバゲットのトーストにジャムにコーヒーなど、イギリス人はベーコンや卵や豆がそろったご存知ヘビーなイギリス風、スイス人もハムやチーズを食べますし、日本人は(フランスで本格的な朝ご飯を準備するのは至難の技です)クロワッサンが大好きですよね!? クロワッサンは高いからフランス人は特別な日しか食べないんですよ。面白いですよね。
母の代からお客さんたちに一つだけお願いしていることがあります。それは皆でディナーをいただくことです。たわいないおしゃべりをしながら皆でいただくディナーは夏のヴァカンスの醍醐味の一つですから。時には各国や地方の文化や子育てや政治などが話題になる事もあります。そんな時私は必ず子供たちにも意見を言うように促します。自分と反対の意見の人ともスマートに会話(議論)できる人間に育って欲しいからです。世の中の人が全て自分と同じ意見を持っているわけではないし、ましてや意見の違う者同士が話し合うことによって新しいアイデアが生まれることも多くあります。今年は第一次世界大戦勃発からちょうど100年になります。戦争は人間同士が起こす一番醜い行為です。強制的に戦時下に送られた当時の若者はどんなに無念だったことでしょう。とても悲しいことに、今現在も戦火に見舞われている国もあります。異文化を尊重し話し合うことができればきっと争いも減るはずです。そしてそんな子供たちを育てるのは私たち大人の役目ではないでしょうか?(フランス人アーティスト クレモンティーヌ/SANKEI EXPRESS)