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ブラジルW杯直前 南北4000キロ 熱戦舞台は広大

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ブラジルW杯直前 南北4000キロ 熱戦舞台は広大

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有名なイパネマビーチでは、「カリオカ」たちが夕暮れまでサッカーを楽しむ=2013年12月、ブラジル・リオデジャネイロ(共同)  いよいよ6月12日(日本時間13日)に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会。日本の23倍の広大な国土を持つブラジルに散らばる12都市が会場になる。それぞれの都市は、ビーチや高原、計画都市など独特の表情を持ち、気候も全く異なる。南北4000キロに点在する主な会場都市を紹介しよう。

 ブラジルといえば毎年2、3月に行われるリオのカーニバルが有名だ。その舞台となるリオデジャネイロは、7月13日の決勝戦など7試合を行うブラジルが世界に誇る観光都市。巨大なキリスト像や奇岩、複雑に入り組んだ海岸線などの美しい景観など魅力にあふれる。人口約643万人でサンパウロに次ぐ全国2位の規模。

 1502年、ポルトガル人の探検隊が、到着した湾を河口と勘違いして「1月の川」と命名してそれが市名になった。鉱物や砂糖、コーヒーの輸出港として発展。1763~1960年は首都だった。

 大西洋に面して夏は酷暑だが、W杯期間中の冬も平均気温20度弱と暖かい。リオ出身者は「カリオカ」と呼ばれ、明るく、大ざっぱな性格で知られる。ボサノバ音楽の発祥地で、再来年2016年には南米初の夏季五輪の開催都市となる。12年には世界遺産に登録された。

 12日にブラジル対クロアチアの開幕戦を行うのは人口1100万人超を誇る南半球最大の都市、サンパウロ。商業や金融の中心であると同時に移民の都としても知られる。大鳥居が有名な東洋人街リベルダージ地区には和食店が軒を連ね、日本語の看板が並ぶ。

 19世紀にコーヒー栽培の拠点として発展、南米最大の工業都市となり、ファッションや食の都としても有名だ。

 標高約800メートルで冬の乾期に当たるW杯期間中の日中は半袖で過ごせるが、夜は冷え込むという。ちなみにブラジル代表MF、オスカルの出身地だ。 

 ≪水の都、緑の街、人工都市…表情多彩≫

 1次リーグで6月14日(日本時間15日)、日本がコートジボワールとの初戦を戦う北東部レシフェは南米大陸のほぼ東端にあり、17世紀半ばには一時オランダの統治下に置かれた植民地都市だ。運河や橋が多い水の都で「ブラジルのベネチア」の異名を持つ。ただ、治安の悪いブラジルの中でも特に殺人事件発生率が高く、現地に応援に行く人は細心の注意が必要だ。

 1次リーグ最終戦で日本がコロンビアと戦う中西部クイアバは南米大陸のほぼ中央にあり、世界最大の湿地パンタナル湿原への玄関口。緑化計画が進み「緑の都市」として知られる。クイアバを州都とするマトグロソ州にはパンタナルのほかに、アマゾン熱帯雨林やセラード(サバンナ)もあり、豊富な生態系で有名だ。

 市内には川魚のレストランが多く、世界最大の淡水魚ピラルクやナマズの仲間ピンタード、パクーなど日本ではお目にかかれない怪魚を味わえる。

 3位決定戦など7試合を行うブラジリアは、手つかずの高原地帯に造られた人工都市で、世界的にも珍しい歴史の浅い首都だ。1960年4月にリオデジャネイロから遷都。翼を広げた飛行機のような形にデザインされ、人造湖や緑が多い。

 標高1100メートル超の高原にあり、W杯期間中の冬場は乾燥、気温10~20度と過ごしやすい。人口約279万人は国内4位。

 準決勝など6試合を行う南東部ベロオリゾンテは金や鉄が豊富なミナスジェライス州の州都だ。「美しい地平線」の意味を持つ計画都市で中心部は碁盤の目に整備された坂の街。標高約800メートルの丘陵地帯にあり、豊かな緑や暮らしやすい穏やかな気候で知られる。

 このほか、開催都市で最も北に位置し、大河アマゾン沿いの大都会マナウスや、洗練されたビーチの町、北東部のフォルタレザなど多彩な都市で熱戦が繰り広げられる。(EX編集部/撮影:共同/SANKEI EXPRESS

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