いよいよ決戦の舞台に乗り込んだ一行の中、ＦＷ本田は後方のタラップからサングラスをかけて登場。その髪は、金色に染められ、根元には黒髪が伸びてきていたスタイルから一新。短く刈りそろえられ、グレーがかった銀がベースの“新Ｗ杯ヘア”で降り立った。

　「積み上げてきたものを出し、最高の準備をして、いい結果を残したいと思う。状態はいいし、あとは精神的な部分を初戦に合わせられるように、チーム全体としてやっていきたい」

　主将のＭＦ長谷部が、チームを代表し、滑走路脇で決意を表した。

　本田も思いは同じ。２ゴールを決めた６日のザンビア戦後、「（Ｗ杯で）サプライズを起こせると思う」と意気込んだ。

　日本サッカー協会関係者によると、本田は同戦後の深夜、現地へ駆けつけた懇意の美容師に依頼してカットとカラーを施したという。ブラジル入りに合わせた、まさに無言の“決意表明”だった。

　覚悟がある。「前回のＷ杯と比べると、守備に重点を置くか攻撃に重点を置くかでスタイルが違う。悪いところを見るのはメディアにお任せして、このスタイルでいくと決めた以上は、びびらずに維持したい」。ザンビア戦では２点を先制される苦しい展開となったが、攻撃的なサッカーこそ“新Ｗ杯スタイル”。同戦で“体調不安説”を一蹴した男にブレはない。

　開幕まで、あと３日。「Ｗ杯優勝」へ、エースは髪を整え、臨戦態勢を整えた。（志田健／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）