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累計1億冊突破 電子書籍のパイオニア 電子書店「パピレス」

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累計1億冊突破 電子書籍のパイオニア 電子書店「パピレス」

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電子書店「パピレス」社長の松井康子さん=2014年5月8日(ニュースペース・コム提供)  日本で最初のオンライン電子書籍配信サイト「電子書店パピレス」と、電子書籍レンタルサイト「電子貸本Renta!」での電子書籍販売冊数が1995年の創業以来、累積1億冊を突破した。両サイトを運営するパピレスは、日本で最も早くトータルな電子書籍サービスを開始した会社。小説から漫画、写真集、音声、動画まで豊富なコンテンツを取りそろえており、580社以上の出版社と提携し、さらにコンテンツの拡充に努めている。両サイトは、専用アプリなどをダウンロードする必要はない。ユーザーはPCやスマートフォンなどで各サイトにアクセスし、読みたいタイトルを選択してクリックするだけで、インターネットブラウザ上で簡単に電子書籍を読むことができる。この手軽さも受け、2014年3月には会員数100万人を突破、月間販売冊数は300万冊以上にのぼり、近年のスマートフォンやタブレット端末の普及で利用者はさらに拡大している。パピレスの松井康子社長に話を聞いた。

 ネットから取り出せれば…

 「ネットワークでデジタルコンテンツを配信するビジネスに興味を持ち、パピレスに新卒で入社しました。私は大学院で歴史の研究をしていたのですが、資料の文献や本がなかなか手元に入らず苦労していました。貴重な本は借りることができなかったため、図書館に通う必要がありましたし、図書館にない本もたくさんありました。そんな場合は、海外の図書館からコピーを取り寄せるのですが、手続きは面倒で時間とコストがかかります。なんとかできないかと思っていたら、ちょうどその頃インターネットが登場してきました。ネットワークを使って世界中からデータを直接取り出すことができれば便利だと思ったのです。そんな折、日本で初めて電子書籍をネットワークで配信する会社が設立されたことを知り入社したのです」

 ユーザーへの利便性を追求

 同社は富士通の社外ベンチャー制度を利用して設立された。当時はワープロ全盛期でもあり、パソコン通信で「電子書店パピレス」をスタートさせた。松井社長は「まだラインアップが少なかったこともありますし、なにより回線速度が遅かった時代で、文豪の小説が人気コンテンツでした」と振り返る。その後、回線速度の向上、デバイスの進化もあり、マンガや音声、動画コンテンツなどを次々に手がけていく。「ユーザー属性も変わってきました。当初は30代から50代、まさにインターネットやコンピューターに詳しい世代の方がメーンユーザーでした。その後、コンテンツが拡充されるにつれ、20代から40代の方がメーンとなり、恋愛ものを読まれる女性の方も多くなってきましたね」。携帯向けコンテンツ業界では大きなパラダイムシフトとなったフィーチャーフォン(ガラケー、従来の携帯電話)からスマートフォンへの移行にあたっても、開発面やプロモーション面での試行錯誤を繰り返し、ユーザーへの利便性を常に追求してきた。

 アジアに向けコミック配信

 海外展開も進めている。「英語版の展開や、台湾や東南アジア向けにコミックの配信をスタートさせており、特に日本のコンテンツに親しみを感じてくださっているアジアの方々からいい反響をいただいております。海賊版の懸念などで、まだコンテンツ数は少ないですが、日本のコンテンツが優れているところは表現が自由なところ。特にマンガは種類が多い。電車の中で本を読む人が多いのも日本ならではで、ネット配信の便利さも含めて、電子書籍の魅力をもっと出していければ」と意気込む。

 来年4月には創業20周年を迎える。電子書籍サイトのパイオニアとしてさらなるサービスの発展を目指す同社は、ストーリー展開や登場人物の心理的な動きに合わせてコマやセリフが動く演出などを取り入れた次世代コミック「コミックシアター」の配信を開始。さらに、小説やゲームをシナリオ化してビジュアルを付加した新感覚コンテンツ「絵ノベル」の配信もスタートさせた。「とにかく本が好き」と語る松井社長。電子書籍のパイオニアは、世界市場に向け日々アップデートしている。(SANKEI EXPRESS

 【ガイド】

 累積1億冊突破を記念して、「電子書店パピレス」と、「電子貸本Renta!」では毎月先着10万人にもれなく100円分のポイントをプレゼントする「最大1億円分入会キャンペーン」(2015年2月28日まで)を実施している。詳しくはキャンペーンサイト、http://www.papy.co.jp/act/event/camp.htmまで。

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