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笑って新年を迎えましょう 平松昭子

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笑って新年を迎えましょう 平松昭子

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石の輪切りコースター(平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com  【和のスタイル】

 先日、句会のお友達とランチ会をしました。今回はみなさん忙しいので句は詠まず、「クリスマスか師走」というドレスコードだけ決めて集まりました。もう一つのお楽しみは2000円くらいの予算のプレゼント交換。メンバー7人の女たちは、アーティストからセレブ妻まで幅広いジャンルの方々です。知識が豊富で目も肥えていらっしゃるのでプレゼントがなかなか決まらず困りました。

 そんなある日、仕事帰りに青山ベルコモンズにある「CIBONE青山」の近くを通りました。ここなら、洗練された和の生活雑貨が見つかるはずです。お店に入り、真っ先に目に留まったのは石の輪切りのコースター。ガラスのように透明感のある天然石ですので、とてもキラキラしています。着色していないナチュラルな黄土色っぽいものと、深いブルーと紫色の三色あり、全て形が違い年輪もそれぞれ個性があふれていました。値札を見てみるとなんと1枚1000円! 2つも買えましたよ。

 さてお次は、ドレスコード。雪の唐草の小紋の着物に、フクロウの親子と葉っぱが刺繍された帯を合わせてみました。するとフクロウが大掃除をしている絵が浮かんできました。まさに師走の風景です。早速、箒に見えるような帯留め、もしくは根付けを探すことに。しかし残念ながら家中探しても見つからず、箒がないままランチ会へ向かいました。

 乾杯のあとに一人ずつドレスコードの説明。私はフクロウの親子を指差しながら「この親子は、雪の降る師走の夜に、宿がなくて寒い寒いと寄り添っているところです。葉っぱの刺繍が枯れ葉に見えてきますでしょ」。すると、目の前の方のゴージャスな十字架のペンダントが目に入りました。「ほら、この親子があかりのついたお金持ちの家をのぞいているみたいでしょ」

 みなさん、おなかをかかえて笑ってくれましたので、寂しい師走の物語が明るくなりました。「笑う門には福来る」ですね! みなさまも、たくさん笑ってよいお年をお迎えくださいね。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS

 ■ひらまつ・あきこ 1970年、愛知県生まれ。広告プロダクション退社後、フリーのイラストレーターに。ファニーでエレガントなイラストで人気を集め、現在は「GLOW」でコミックエッセーを連載中。「kate spade new york」日本公式ブロガー。水墨画や日舞をたしなみ、着物を愛好する。著書に「お洒落きものイズム」(グラフィック社)など。LINEのスタンプ「ラヴ&ゴージャス」が発売中。kimonosnack.blogspot.com

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