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水墨画に挑戦しませんか 平松昭子
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馬の描き方(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com
水墨画は特別に習わないと描けないものではなく、どなたでもすぐに描けます。なぜなら習字と一緒だからです。一番分かりやすい例で、梅の枝。漢字のとめ、はね、はらい、が書ければ見事な枝ぶりを描く事ができます。梅の花は、ひらがなの「の」を書くように丸を5つ描き、真ん中に点をいくつか書けばできあがりです。
さて、そろそろ年賀状の準備をしておくと安心ですね。12月に入ってからと思っているうちに、毎年あっというまに年末になってしまいます。ここ数年、私の年賀状は水墨画の干支(えと)です。来年は午年ですので馬を描く予定。馬は得意です。イラストレーターとして駆け出しの頃、ギャンブル雑誌の競馬ページで毎月たくさんの馬を描きました。
当時は、今ほどインターネットが普及していませんでしたので、馬の資料を集めてファイルし、いつしか見なくても描けるようになりました。馬の絵をじーっと見ていると、だんだん日本語に見えてきましたので、馬の輪郭を全て文字にしてみました。絵が苦手な方も、ぜひ今回のイラストを参考にしてみてください。
気分が乗ってきましたら、子供の頃に使っていた習字セットを出して、墨をすり画仙紙のハガキに描いてみましょう。
画材屋さんに行くと、画仙紙のハガキがパックで売られています。画仙紙は水墨画を描くのに一番適した紙です。何枚も馬を描き続けると、たいてい一番はじめに描いたものか、10番目のものがいい出来です。選ばれた一枚をスキャンして、プリンターで必要な枚数を印刷します。その場合の紙は、画仙紙ではなく、プリンターに適した用紙がおすすめ。白と黒だけで表現された馬の横に、赤い落款(らっかん)を押すと、さらに絵が生きてきます。
今週は筆ペンで練習、来週は墨をすって原画づくり、再来週はプリントアウト。これで安心して師走を迎えることができそうですね。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS)