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迷って、悩んで…舞台は面白い 舞台「夜更かしの女たち」 マイコさんインタビュー

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迷って、悩んで…舞台は面白い 舞台「夜更かしの女たち」 マイコさんインタビュー

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「最近、ふらっと美術館によく行きます。風景画が好きなんです」と女優のマイコさん。大作家の絵を眺めながら「部屋に飾ったら…」と想像を巡らせるそうだ(瀧誠四郎撮影)  2年前、NHK連続テレビ小説「おひさま」で、おしゃまな女学生3人組「白紙同盟」の令嬢キャラ・真知子を演じ、爽やかな存在感を印象づけた女優、マイコ(28)。今度は、本多劇場(東京)で上演中の舞台「夜更かしの女たち」で、スター女優を姉に持ち、万年“二番手”の妹、真尋(まひろ)を演じている。無邪気な笑顔を見せたかと思うと、姉に対しては強い態度に出たり。積もり積もった複雑な心のうちを大胆に表現している。

 「小さなころからいつも注目されるのは、真尋ではなく、姉のほう。ずっと苦い思いをしてきたり、頑張ってきたんだと思います」と、役作りの心境を明かした。

 真尋と、姉の十和子(中越典子)が育ったのは、小さな田舎町。十和子は常に注目の的。真尋はそれを横目に思春期を過ごした。ところが高校時代、十和子の同級生男子が「自殺」。その死が「十和子のせいだ」と噂になり、十和子は故郷を去った。

 人間って単純じゃない

 「夜更かしの女たち」は自殺事件から15年後、十和子が初めて帰郷し、真尋や、十和子の同級生たちと再会して始まる物語だ。突然の十和子の登場で、流れる気まずい空気。なぜ同級生は死んでしまったのか。それぞれが15年間秘めてきた「あのときあったこと」を打ち明けていき、パズルのピースがはまるように、謎が解けていくのだが…。

 「人間って単純じゃないですね。あらゆる出来事は、たった一つの原因ではなくて、偶然の連続や、意図しないことがつながってできている。そんなふうに思います。この物語も、すっきり見終わるというよりは、何かを胸に抱えて劇場を出る、そんな感覚になるでしょう」。確かに、職場や学校、どんな場所でも、人間関係は複雑でカオス。答えがないほうが、リアルなのかもしれない。

 「夜更かし-」は竹中直人が企画とキャスティング、倉持裕が作・演出を手掛ける舞台シリーズ「直人と倉持の会」の第1弾。美術教師・羽座間役として出演もする竹中とは、映画「山形スクリーム」(2009年)以来の共演だ。「面白い、大好きな役者さんです。稽古場はとても和気藹々(あいあい)、雰囲気がいいのですが、竹中さんがふとした瞬間に抜き打ちでセリフ合わせを始められるときがあって、そのプロ意識に刺激を受けます」

 目指すのは「見ていて面白いと思われる役者」だ。舞台はこれで3作目。今年は音楽劇「ヴォイツェク」でも喝采を浴びた。

 「すごく難しいチャレンジだったので、この作品をこなしたら、次の自信につながるのかな…と思ったら、そうでもない。新しい作品に向き合うたびに、やっぱり迷うし、悩むんです。慣れることも、分かることもない。それがこの仕事の面白さ、かもしれないです」と言って、からっとした笑顔を見せた。(文:津川綾子/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS

 ■まいこ 1985年3月15日生まれ。東京都出身。2008年に映画「山のあなた~徳市の恋~」のヒロイン役に抜擢され女優デビュー。NHK連続テレビ小説「おひさま」(11年)で注目を浴び、NHK BSプレミアム「恐竜せんせい」(13年)では主演をつとめた。初舞台は「8人の女たち」(11年)。

 【ガイド】

 2013年12月29日まで 本多劇場(東京)。中村ステージプロダクション(電)03・5282・7492。2014年1月12日 サンケイホールブリーゼ(大阪)。ブリーゼチケットセンター(電)06・6341・8888。※名古屋、高松、高知、長崎、福岡でも上演

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