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物語を旅した先に見えるものとは 舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー(F/T)」

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物語を旅した先に見えるものとは 舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー(F/T)」

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リミニ・プロトコルが2011年に行った「100%ケルン」の一場面。(C)Sandra_Then  日本から世界に向け、舞台芸術の今を発信する祭典「フェスティバル/トーキョー(F/T)」が東京・池袋エリアを中心に12月8日まで開催されている。2009年の初開催から数えて6回目となる今年は、「物語を旅する」がテーマ。東日本大震災後、圧倒的な現実を前に、一度は言葉を失いかけていたアーティストたちが、いよいよどんな物語を紡ぎだして提示するのか、注目が集まっている。

 「震災後の日本では、ますます『大きな物語』への同調圧力が高まっている。しかし芸術は個人に根ざしています。アーティストは自分と社会、自分と時代を必死につかんで、未来に投げようとしている」とF/Tの相馬千秋プログラム・ディレクター(38)は語る。

 今ある流れの一つが、リアリズムからフィクションの探求へ、表現者の関心が移行する傾向という。これまで若者の心理をリアルに切り取ってきた「チェルフィッチュ」が11月28日から東京芸術劇場シアターイースト(東京)で上演する「現在地」はSF的なアプローチを取る。

 またドイツの「リミニ・プロトコル」による実験的な“演劇”「100%トーキョー」(11月29日~12月1日、東京芸術劇場プレイハウス)は、人口統計に基づき集められた100人の都民を舞台に上げ、ライブ形式で意識調査を行うことで、今の東京の“都市の物語”を浮かびあがらせる。こちらは小さな物語を一つずつ拾う試みだといえるかもしれない。(津川綾子/SANKEI EXPRESS

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