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イオン、ドラッグストアでマツキヨ抜き首位 4社統合、来年9月まで

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イオン、ドラッグストアでマツキヨ抜き首位 4社統合、来年9月まで

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会見後に握手する(左から)ウエルシアホールディングスの水野秀晴社長、池野隆光会長、イオンの岡田元也社長、宮下雄二執行役=22日午後、東京都千代田区  イオンは22日、グループのウエルシアホールディングス(HD)、CFSコーポレーション、タキヤ(兵庫県尼崎市)、シミズ薬品(京都市)のドラッグストア4社を2015年9月までに経営統合すると発表した。4社の直近の売上高の単純合計は5100億円超と、4953億円の最大手マツモトキヨシホールディングスを抜く。

 同日記者会見したイオンの岡田元也社長は「日本一のドラッグストアチェーンを確立させる」と強調した。

 統合はまず、イオンが現在持分法適用会社であるウエルシアHDに株式公開買い付け(TOB)を実施し、11月27日付で、連結子会社とする。出資比率は50.1%で、ウエルシアの東証1部上場は維持する。その後、イオンのドラッグ子会社をウエルシアに統合し、来年9月までに作業を完了する。

 来年9月時点では売上高5600億円、店舗数を1400店とする計画。統合後は各社の店舗の屋号を「ウエルシア」に統一する方針だ。岡田社長は「ヘルス&ウエルネス(健康で長生き)は、ドラッグだけでなく、スーパーの食品などの事業でも求められ、シナジー効果を狙っていく」と語った。

 ドラッグ事業を取り巻く経営環境は激変している。イオンは「少子化による消費縮小の一方、高齢化による医療関連消費の拡大」(ウエルシアの池野隆光会長)というプラス、マイナス両面の変化に対応するには規模の論理が必要と判断した。同事業を「日本一」にするのには、事業だけでなく、加速する再編への対応力を高める狙いも込められている。

 ドラッグ業界では売上高5000億円弱の最大手のマツモトキヨシホールディングス以下、3000億~4000億円規模の企業が混戦を繰り広げている。こうした中、地方の有力チェーンの買収合戦が進むなど、業界再編が加速している。

 イオンはこれまで、ドラッグ事業子会社への出資比率を1~3割程度に抑え、独立性を重視する「緩やかな連帯」を目指すなど、ドラッグ業界での存在感は薄かったが、今年4月のウエルシアHDの子会社化を機に、拡大路線にかじを切った。

 大型モールなどを展開するイオンは自由に出店できる小型店の拡充や価格訴求など変化する消費者ニーズへの対応も求められている。岡田社長はドラッグストアをこうしたニーズに応える「事業の柱」と位置づけた。

 イオンは先月、ダイエーを子会社化し、店舗屋号としてのダイエー廃止を決めたばかり。岡田社長は「インターネット販売の新しい潮流にはブランド力が不可欠」として、グループ全体で屋号を整理する考えを示した。ダイエー、ドラッグに続き、イオングループ内外で事業再編が加速しそうだ。(平尾孝)

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