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ローソンが成城石井買収 高級スーパーで「富裕層が多い都市部の強化」 首都圏に120店舗

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ローソンが成城石井買収 高級スーパーで「富裕層が多い都市部の強化」 首都圏に120店舗

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成城石井の買収を発表するローソンの宮崎純常務執行役員(左)=30日、東京都千代田区  コンビニエンスストア大手のローソンは30日、首都圏などで高級スーパーを展開する「成城石井」を買収すると発表した。取得価額は364億円で、負債を含めた買収金額は550億円程度になる。ローソンとしては過去最大の買収案件となる。(平尾孝)

 ローソンは買収後も、成城石井のブランドをそのまま活用し、現経営体制を維持する。ローソンが培った「物流、店舗開発、顧客のデータ分析などのノウハウを提供」(宮崎純常務執行役員)し、成城石井の収益力をさらに高め企業価値の拡大を目指す。

 成城石井の株式を100%保有する三菱商事系投資ファンド、丸の内キャピタルから全株式を10月31日に取得する。成城石井は首都圏を地盤に120店の高級スーパーを展開。平成25年12月期の売上高は544億円、営業利益は33億円で、5期連続の増収増益を達成している。

 ローソンは成城石井を買収したことで、成長戦略のバリエーションが大きく広がったといえる。小売りの多くが「富裕層が多い都市部の強化」(イオン首脳)を目指す中、その代表格のブランドを手に入れたからだ。

 賞与の増加や賃金のベースアップが、中小企業よりも大きい大企業が集中する都市部は、地方よりも高い購買力が期待できる。大手コンビニ幹部は「とくに都市部は、価値のあるものを求める消費者が増え、価格帯も上がっている」と指摘する。

 コンビニ業界では、首位のセブンーイレブン・ジャパンがハイペースな出店攻勢を続けている。2位のローソンは同じような規模の拡大だけでは追いつけない。そこで戦略とするのが消費の多様化への対応だ。音楽CD販売のHMVジャパンやシネマコンプレックスのユナイテッドシネマなどを買収し着々と手を打ってきた。

 過去最大案件となった成城石井は、本業のコンビニのノウハウをフルに生かすことができ、しかもコンビニとは違う客層が取り込めるうまみがある。

 「成城石井はダイヤの原石。われわれが磨けば、資産価値は10倍にもなる」。ローソン首脳はこう言ってはにかんだ。

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